イライラ
イライラの語源は、草木の刺(とげ)のことをいう「イラ」を重ねたもので、本来は刺が出ているさまをいう語です。そこから、刺に突かれた時のチクチクした刺激や、光や暑さによる不快な刺激をさすようになり、転じて、神経が高ぶってジリジリするさまを「イライラ」というようになったようです。(※語源由来辞典より) 焦燥感という言い方もあるようです。気持ちが落ち着かず、じっとしていられなくなる。ジリジリした感じ。神経がささくれ立って、がまんできなくなる--。そんな精神状態のことをいいますが、イライラが強まって人やものにあたってしまうこともあり、落ち着いてから後悔する人も多いのではないでしょうか。
イライラに漢方薬で対処しよう!
漢方には「気・血・水(き・けつ・すい)」という3つの要素があり、これらのバランスが崩れることで、体に不調が現れると考えられています。 たとえばイライラは、目には見えない生命エネルギーである「気」の不調、「気滞(きたい)」「気逆(きぎゃく)」などで起こると考えられています。気滞とは気の巡りが滞って、全身にエネルギーが行き渡っていない状態をいいます。イライラのほかに、のどが詰まったり、ものがつかえたりする感じがある、ガスが多い、おなかが張るといった症状が出ます。 気逆は、気が本来の巡り方と逆行している状態をいいます。発作的に頭やおなかが痛くなる、ものごとにビックリしやすい、手足は冷たいけれど顔や頭はのぼせる(冷えのぼせ)、手足に汗をかくといった症状が伴うことがあります。 いずれにしても、気の巡りが根本的な問題なので、気を巡らせるようにしたり、逆行している気を正しい巡り方にしたりする「気剤(理気剤)」という漢方薬が処方されます。 気の巡りのほかにも、血の滞りである「お血」もイライラの一因になっていることがあります。便秘がちで肩こりがある、月経に関連してイライラするといった場合(PMSや月経困難症など)は、お血が関わっていることが多いので、「駆お血剤」というタイプの漢方薬を用いることがあります
イライラの代表的な症状〜心肺両虚証
症状〜不安感から緊張し、緊張は精神的疲労を悪化させ不安感を助長する。顔色が悪く疲れやすい。動悸・息切れ・呼吸困難・不整脈などで疲労や不安感が出やすい。
対処方法〜この症状の主要処方としては、人参養栄湯を用います。 心労で体力不足となることにより、不眠などの症状が追加され、また心労がひどくなるといった、逆循環に陥ってしまった場合良く使用されます。 息切れ・疲労感のほかに、喉や口の乾燥感、眠りが浅い、寝汗、やせる、便が硬く便秘しやすいなどの水分不足の症状が同時に見られる場合は、炙甘草湯等を組み合わせた処方があります。 煎じ薬を選び暖めて朝夕に2回ほどに分けて服用すると良いでしょう。
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