漢方でアトピーを考えるとき重要なのが、その人の皮膚の状態だけでなく、内臓の様子を観るというのが挙げられます。
食欲がなかったり、胃腸が弱いタイプならば、体中に栄養が行き渡らず、肌のターンオーバー(回復力)にも影響が出ます。「皮膚は内臓の鏡」という言葉のとおり、内臓は肌の一部であり、内臓のトラブルは肌表面に現れてくるのですね。
なお、その人の体質や環境、ココロの状態にも深く影響し、ステロイドの使用頻度により肌の状態も千差万別。人それぞれまったく違う症状が出るので、その対処法も漢方では何十通りとあるのです。なので、その人に合わせた、いわばオーダーメイドの治療法で立ち向かう漢方は、かなり力強い味方だといえるでしょう。
もちろんステロイドは長期間使い続けると肌の抵抗力も弱まり、根治療法ではないけれど、適切な使用をすればとても有効な治療法です。ケースに応じて漢方と併用したり、お互いの利点を活かすことも必要です。
アトピータイプを5つにわけると…… | 体質に合わせて補ったり、余計なモノを減らすのが漢方 |
先ほどもいったようにアトピーの原因は人それぞれですが、大きく分けると次のようなタイプに分類できます。いくつも重なっていたり、これ以外の要因もありますが、傾向を知るうえで参考にしてください。
■熱タイプ 皮膚に赤みがあり、熱感が強く、炎症もひどい。痛みをともなったり、化膿することもある。
■湿タイプ ジュクジュクしていて、長引きやすい。水分代謝が悪いタイプで、ひっかくと液が出てくる。
■潤い不足タイプ カサカサしていて、血が不足しているタイプや、のぼせや口の渇きがある陰虚(水分不足)がある。
■機能不足タイプ 幼い頃から発症し、冷えや食欲不振がある。皮膚は乾燥し、ポロポロしていることが多い。
■ストレスタイプ ストレスにより症状が悪化するタイプで、大人になって発症するのが多い(近年多い傾向が)。
漢方治療の良さは、複数のからみ合った原因を解くほぐし、発症のメカニズムを明確にして、治療方針をたてるのです。この機会に、漢方でアトピーを根本から治してみませんか?
|